メディア環境デザイン研究室 柴田 滝也 教授

情報環境学部の先生の研究内容や知られざる素顔をご紹介する情環の先生。興味のあるコースやテーマやキーワードで「情環の先生」と出会おう!
感性価値創出を、
その手で!
メディア環境デザイン研究室
柴田 滝也 教授
建築デザインコース
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次世代のARが広げるコミュニケーション

次期コンピュータとして注目される、グーグルグラスのようなウェアラブルデバイス。メディア環境デザイン研究室では、カメラでマーカを認識し、そのマーカ 上に仮想物体を表示し、3次元音場再生する視聴覚拡張現実技術の研究をしています。仮想のキャラクターが、道案内や勉強を教えてくれるなど新たなコミュニ ケーションのサポートや、3次元家具データを検索システムと連動させ、個々人の感性にあった製品を仮想物体として、現実社会の中で配置してみて比較できる ようになります。例えば家具などは、今までは、寸法を図って店舗にいって購入していたのが、検索してARで配置してみて、購入決定ができるような技術を研 究しています。

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人の心がわかるコンピュータ

今後迎える高齢社会に向けて、介護ロボットなどが開発されています。その介護ロボットに必要なのは、キーボードや音声で入力するのではなく、自らが人間の感情や気持ちを理解してコミュニケーションを行う能力です。メディア環境デザイン研究室では、人が姿勢によって相手の感情を判断していることに着目し、椅子に圧力センサーを取り付け、座った姿勢からその人の気持ちを判断するための研究を通じて、人の心がわかるコンピュータの開発を行っています。

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人間の身体をデジタル保存

皆さんの耳は、各々全て違う形をしていることはご存知ですか?耳の形が異なる事で、特に垂直方向の音像定位能力、どこから音が鳴っているのか、その方向性を判断する能力が低い人が存在します。それは視力のようなものですから、メガネのような矯正をするための3次元音場再生技術の研究を、メディア環境デザイン研究室では開始しました。将来的には、各々の身体の情報は全てデジタル化されていくでしょう。自分にあった靴や洋服が提供される、身体に合わせてモノを作るという時代になるかもしれません。研究室では、耳の形と音像定位能力との関係を探っていきます。

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先生へのQ&A

この研究をしようと思ったきっかけは何ですか?
東京電機大学の卒業研究の時に、私は一生懸命はんだごてを使って電子回路を作っていました。その時にこのような本質的な疑問をもったのです。「確かにこれ は人のためになる。便利になる。でも私が作っているものに心ってあるんだろうか?」そこで、人に関わるような学問、心に関係ある研究をエンジニアリングの 分野、人の「こころ」をコンピュータが理解できるのだろうかと考え始めたのです。さらに、視覚情報や聴覚情報は別々に入力されるのに、人間はこれらを融合 してひとつのモノ・コトとして知覚しています。色と形状で構成されたモノや空間を、人がどのようにデザインするのか、その仕組みを解明したいと思い始めた ことが、研究をしようと思ったきっかけです。
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研究の魅力を教えてください。
これまでは、システムであっても、いわば人がいない、単なるモノづくりだったと思います。しかし、当研究室では、人なしにシステムだけを作って終りという のは、基本的には許されません。必ず人に評価をしてもらって、フィードバックして改良していく。いかに人に評価されるか、またその評価の違いは何なのかを 解明していくことを主眼においています。このような研究を通じて、文化が少しずつ生まれてくる胎動を感じています。
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今後の夢や展望を教えてください。
人間の情報処理方法を、情報技術を活用して解明することです。様々なセンサーによる測定技術が普及すると現象が同じ場合は、物理的な測定結果は全て同じに なります。しかし、同じ現象でも、人が評価すると、人によって、また時間によって評価が変わってきます。その要因は何なのか、そしてそれをどのように情報 処理しているのか。そのような人間の情報処理方法を解明して、それをコンピュータが計算できるようになれば、人間の心を理解できる「感性価値創出」ができ るのではないかというビジョンを持っています。
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研究室をのぞいてみよう!

厳しくて答えの出ない問題に トライする愉しみ

メディア環境デザイン研究室では、情報技術やデザイン、人に興味がある学生が集まってきます。夏にはゼミ合宿、他大学との合同研究発表会、夏あるいは春の全国大会発表などにも参加しています。研究では、楽しいことばかりではなく、厳しくて答えの出ない問題にトライすることもありますので、中々思うように結果が出ないこともあります。誰もやっていない課題にチャレンジして、失敗しながら結果を導き出す。その経験は、必ず社会に出た時にも役立つものになるはずです。

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研究生の声

なぜという疑問点をほうっておかないことが大切

当研究室では、社会学とかプログラミング、心理学といった専門分野にとらわれることなく、やる気があれば自由に研究ができるのが魅力です。私は、主にAR技術で新たなコミュニケーションを創造する研究で、ウェアラブルデバイスと連係するソフトウエアの開発を担当しました。プログラムを作るのは楽しかったですが、その後の実験で満足のいくサンプル数を確保できなくて苦労しました。人数を集めるのも大変でした。実験結果も思い描いたデータではなかったので、その後なぜそうなったのか実験していきました。「なぜ」という疑問点を探求するのは必要です。なぜをそのままほうっておかない。それがこの研究室に来て一番学んだことです。その結果、もっと研究したいと思って大学院で研究を続けることにしました。

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もっとこの研究が知りたい!